ぽっかりと浮かんだ満月で影ができる。堪らない。なんだかすごく嬉しくなる。太陽なんかに負けてないあなたが好きよ。














「おい、











綺麗な髪をしたエドワードが、白い息を吐きながらわたしを呼ぶ。白と、黒と、金のコントラスト。世界は何て美しいのかな。











「なあに」





「部屋戻れよ、風邪引くだろ」





「エドワードこそ」








エドワード、エドワード。何て素敵なお名前。響き方が好きだからそう呼ばせて、とお願いした日、エドワードは少し恥ずかしそうに、くすぐったそうにしていた。でもダメだとは言わなかったからそう呼んでいる。


冷たい夜風が、わたしとエドワードのマフラーを揺らした。








「寒いね。空気がとっても澄んでる」





「だから部屋に入れって」





「あ、月とエドワードの髪は、同じ色だ」





「・・・・・・俺、寒いんだけど・・・」





「目の色も同じだね。月とおそろいだなんて羨ましい。ん?その逆かな?」




















満月の光でできたエドワードの影が、同じくしてできたわたしの影に手を差し伸べる。わたしの影が、エドワードの影に手を重ねる。つないだ右手から伝わる体温がじんわりと温かくて、何故だか泣きたくなるくらい嬉しかった。











「戻ろう、アルが待ってる」





「、 うん」





























お月様へ☆★


わたしにエドワードを逢わせてくれてありがとう、こんなに素敵な人をありがとう。お月様とおそろいの金色の髪も目も、わたしは大好きです。だからどうか、わたしの大切な人を苦しめないで下さい、意味の無い戦いで傷つけないで下さい。これ以上、世界の不条理さや汚さで彼をぶたないで下さい。彼が強く映るのは、失いたくないものが在るからなのです。彼から決して、それを奪わないであげてください。わたしにできるのは、ここで祈ることだけなのです。





お月様、彼の側に居られない私の代わりに、彼を見守ってください。

















をつないでを閉じて(お月様、わたしの声は聞こえますか?)