ほう、



















「みじめなわたし」を演じてみる。
泣いてみればいい?嘆いてみればいい?嗤ってみせればいい?二度と会えない人を想ってみればいい?遠くにいる人の幸せを祈ってみればいい?
陶酔するほど演じてみたら終幕。夜は闇に飲み込まれる前に眠りましょう。































「どうせ私の事なんて忘れてしまうのでしょう?」








美しい、獅子のように強くしなやかで誇り高く美しい人。嗚呼、あなただったのね!ずっとあなたを想いたくて堪らなかったのよ。あなたに出会う何年も何年も前から。母親の子宮の中ですらきっとそう思ってた。あなたを想うためだけにわたしは生まれてきたのよ、ねえ、ご存知?








「忘れるわけ、ねえだろ」








強い意志をたたえた瞳はわたしを捉えない。それが正しい、わたしごときを瞳に焼き付けてはいけないのだ。彼の瞳にうつっていいのは目的とそれに対する手段だけだ。わたしが彼の人生に関わっているだなんてとんだ奇跡である。やさしい嘘が心地良い。わたしのために嘘を吐いてくれるその唇が愛しい。キスをしたくなったが我慢した。








「ありがとう、わたしはあなたのこと忘れない。だからわたしのことは忘れて構わないから」
「どう、して」
「あなたのために」
「・・・・・・」
「ばいばい、エド」








いとしいひとは歩き出す 振り向かず


エドワードがほしいだなんて言わない。ほしくない。絶対にわたしのことを忘れないでなんて言わない。だってあなたの人生を邪魔したくないもの!あーあ、わたしはなんてあなたを想っているのかしら!人を想うことは楽しい。みじめったらしい自分に陶酔。わたしの想いは届かないのね!こんなに想っているのにおもっているのにおもっているのに。かわいそうなわたし!












それが正体