創造:それまでなかったものを初めてつくり出すこと。神が万物をつくること。
三省堂提供「大辞林 第二版」より








太陽の光が綺麗な日、わたしは東仙隊長に尋ねてみた。


「その盲いた目には何が映るんですか?」


すると隊長はわずかに笑って言った。(光の加減で影が出来た)


「さあ、何が映っているだろうね」


わたしも目をつむってみた。そこに見えるのは、ひたすら暗闇だった。
太陽のほうを向くと透けたまぶたの血管が見えた。
目を開けると眩しくてチカチカとした。


「東仙隊長は、何かを見たいと思ったことはありますか?」
「あまりそういう頓着は無いよ」


隊長はキッパリと言って、だけど、と言った。


のことは、見てみたいと思うよ」


は、どんな姿をしているんだい?どんな顔なんだい?と彼は尋ねた。





「わたしの声、性格、口調などで、わたしを創造してみてください」


わたしはただそう言うと、隊長はそうか、と言った。
そしてやんわりと笑って、


「ああ、美しいね」


と言った。
光を受けてキラキラと光る隊長は、子供のころ見た硝子玉のように綺麗だった。





(隊長の創造したわたしは、一体どんなにいい子なんだろう。どんなに素直なんだろう。隊長の事を、どう、思っているのだろう)