FUCK ALL 「俺がある日、いきなり前の首絞めたらどうする?」 修兵が、すぐに部屋に吸収されてしまいそうな声で言った。声はこんなに弱々しいのに、あたしの体を這う冷たい手は、しっかりとした存在感を持っている。このたった二つのものがあまりにも対照的で、ゆるい眩暈がした。 「 、 全力で抵抗する」 「・・・ここは修兵になら殺されてもいいとか言うところじゃねーの?」 指がぴたりと止まる。( つ め た い ) 「そんなこと言われたって、あたしまだ死にたくないし。せっかく死神になってまで生きてるんだから」(ああ、何て陳腐な言葉たち) 修兵の手が、首筋へ移動した。 「なに、修兵は。殺人願望でもあるわけ?」 「いや、そーいうわけじゃない、・・・・・・とも言い切れない」 「何よそれ」 「なんつーか、そう、を殺してみたい」 首筋に回された手に、やんわりと力が入れられた。ひゅっ とあたしの喉が鳴った。 「を殺して俺はちゃんと悲しめるのか、知りたい」 ああ、あたしは修兵のこういうイッちゃってる顔が、 「俺はちゃんと独りで死ねるだろうか」 たまらなく( 恐い )( 好き )。 |