SUPERSTAR



















ウルキオラが私に触れた。
そこで初めてウルキオラは私の中で形作られた。今まで彼はずっと、私の中では形の無いひとだった。確信がなかった。目の前にいても。言葉を交わしていても。彼はどこか遠くの、届かない存在だった。思想もないような。考えても考えても追いつけないような。(言うなれば神!)彼の言葉は無条件で私の中に刻まれた。拒むものなどひとつもなかった。彼の言動は私のそれとは少し遠くて、そこで私はまた自ら壁を作っていた。


「あなたは私とは違う」


口に出すのは苦しいから、そっと思った。でもそんな彼を見ていることが好きだった。届かない彼を見ていることが。ガラスの向こうにいるような、気がしていた。同じ地に立ち同じ部屋にいて言葉を交わしていることさえ、奇跡のような気がした。





それでもウルキオラは私に触れた。
なんてことはない。簡単なことだった。


「  」


あぁそうか。
あなたも私も、今を生きているのだ。