あなたより綺麗なものを私は知らない。あなたは静かで、白くて、美しい。あなたは私の愛するものを全て持っている。あなたに成りたい、と陳腐なことを何度も思った。綺麗と思うと同時に憎らしくもあった。あなたは何も感じない。あなたは無しか知らない。私は無を知らない。だってあなたには、こんなにもたくさんのもので溢れてる。私のこの気持ちも、あなたには見えないもの(存在しないもの)でしかないの?あなたの肌は真珠。目はエメラルド。孔は漆黒。孔は悲しくなるから本当は嫌い。でもきっと、それすら無くしてしまったらあなたはあなたではなくなる。私は美しいあなたが好き。虚無しか知らないあなたはきっと不完全。足りないものだらけ。それらはたぶん、私では補えない。私があなたを愛していることも、あなたには感知できない。それが何か分かるはずない。でもね、ウルキオラ。あなたが愛を知っていく様なんて私は見たくない。私は悲しいままのあなたが好き。胸に穴の空いたあなたが良い。私ではあなたを補えない。あなたは補われることに関心がない。私たちの間には何も無い。感情も障壁も。








「そうでしょ?ウルキオラ」








腕を伸ばすあなたに宿った何か。それが私に残すものは喜びか憎しみか、あなたは知らない。