「サターンさまサターンさま!」
「・・・なんだ五月蝿い」





かわいい猫目があたしを睨む。うふふ、かわいい!ぜんぜん怖くないもん!





「サターンさまのおめめはかわいいですね。なんだかドキドキしちゃう」





サターンさまが少し目を細めた。まだあたしのことを睨んでる。その目線がすき!射止められてしまったのあたしの心臓。チクチク痛んだりドキドキ高鳴ったり大忙し。本能の儘に生きられたら、それってなんて快楽!





「ねぇサターンさま、キスしてもよろしいかしら」
「・・・貴様、用事が無いのなら持ち場に戻れ」
「ねぇサターンさま。あたし、あなたのことを愛しているみたい」





吐息、の掠める距離
サターンさまが一歩、後退する。狭い廊下じゃすぐに追い詰められちゃうね。
ああなんてかわいい方!もうだめ、心臓が爆発しちゃいそう。愛しくて仕方ないサターンさまの唇にそっとキスをする。少したじろいだサターンさまはそれでもあたしから目を逸らさない。そっと手を握ると、サターンさまはちょっとびっくりしたみたいだった。かわいいサターンさま!





「サターンさま。もっとあたしのことで困ってみせて」
「っ・・・・・・」
「これがあたしの愛ですの、サターンさま」





サターンさまの目には戸惑いとほんの少しの恐怖、が浮かんでいる。それでいいの!だってあたしを愛してしまうようなサターンさまはサターンさまじゃない。もっとあなたを困らせたいの!困らせて困らせて困らせて、だけどあたしはあなたを愛してる。いつだってあたしは快楽に溺れたいだけ。













「もっとあたしで溺れてね。」









drown